#99 (8.MAY.2009)
俺たち、どこにもいられない / 橋口譲二
1982年
(恵文社にて2000円)
恵文社滞在中に店長に見せられて即買いした写真家橋口譲二氏の傑作写真集。世界各地の不良どもを同じ目線に立って捉えたルポでもある本作はページをめくる度にヒリヒリした80年代初頭の空気を感じる事ができる。
失業率が最悪だったサッチャー時代のリバプールとロンドンのスキンズやパンクス。ヘロインが若者の心の隙間にあっと言う間に広がった旧西ベルリン。仕事を持つ事ができなかったサウスブロンクスの黒人少年や42丁目で身体を売ってヘロインのお金を作る女の子。本当にギリギリで生きてる目が恐ろしい。
最後に東京の不良の写真。ここでの若者は不良である事を楽しんでいる目で、それまでの「俺たち」とは全く異質な目をしていた。
体当たりインタビューも読みごたえがある。
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