#57 (26.FEB.2009)
疲れきるまで眠りません / 森本雑感
2008年
(頂きました)
忘れもしない。
2008年12月6日YSIGのリキッドルーム超2日間の最初の日の打ち上げにてBREAKfASTの森本雑感氏にポストカードを頂いた夜の事を。
酩酊気味で家に帰りポケットの中のものをガシャガシャとテーブルに出して、さっきのポストカードをボ〜っと読んでみました。そこに書いてあった「夜」についての文章があまりに素晴らしく、共感を一瞬で超える内容にパキっと目が覚めた。そもそもBREAKfAST.comでの雑感氏の文章が好きだったので、ある種確信した、という感じだった。
「やっぱり!」
大事にしまっておいて時々読み返してはやっぱり良いなぁなんて思ってたらば、ある日そのカードは消えた。
(そういう事ってよくあるでしょ?)
このブログでどうしてもUPしたくなったので事情を話し郵送して頂きました。ありがとうございます。そして、文章をUPする許可も頂きました。ありがとうございます。
1冊の本よりもこのようなポストカードの方が威力がある事もある。
CUBISMO GRAFICO名義で作ったアルバム"NUIT"は夜についてのアルバムだけど、毎晩この文章の様な事を考えていた。
とにかく、これ凄く好きだ。
「疲れ切るまで眠りません」
対バンが何だとか、DJが誰だとか、どの友達が来るかとか。
行こうか行くまいかを判断する要素はいくつかあるけれども、
その要素が足りないけど思わず来ちゃった。
という夜が思いがけず最高になる事が一ヶ月に3回くらいある。
寄る年波のせいなのか普段は何処にいてもクークーと
眠りまくる私だが、そのような予期せぬ楽しさに遭遇した時は
目を見開いて全てを見届けたいと最大限の努力をする。
最高潮の深夜3時半を過ぎ、少し人が減った明け方を越え、
空腹でみんなが去ったカウンターに一人残って、
まだ奇跡的な楽しさが残っているはずだと居座る。
完全に日が昇り、フロアのモップがけが始まっても
喉が渇いたからとビールを注文する。
「これで最後ですよ」と店員に言われたビールを二杯飲んで
ようやく外に出れば外はすでに朝。というより昼前。
失禁級の楽しさが終わってしまった切なさを噛み締めながら
黄色い太陽の日差しを浴びている時、
啓示のように楽しさの核心に触れた感触を感じる。
これだ!という待ち望んだ歓喜の領域に到達した瞬間に
疲労感が押し寄せて気絶するような眠りにつく。
翌日は濃縮した時間を過ごした反動なのか、
一気に一日が過ぎていく。
時の流れは絶対に一定では無い。
楽しさの片鱗が見えた時は疲れきるまで眠りません。
楽しい夜は諦めません。
森本雑感
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