Thursday, February 16, 2012

におい (17.FEB.2012)

今日の昼、外に出た瞬間に匂いが変わった事に気づいた。
まだまだ寒いんだけど外気の匂いは確実に変わっていく。

だいたい鼻がむずむずしてきたり目がなんだか痒くなる頃に季節の匂いは変わる。これからは一雨振るごとに春に近づいていくんだろうな。
そしたら大好きな沈丁花の匂いがし始めて、いよいよ本当の春がくる。

広島の実家の小さい花壇には沈丁花があった。
決して見た目は良いとは言えないその草花の匂いは、僕にとっては小さい頃の記憶と直結しているようで小学生の自分が土曜日のお昼に帰宅したその瞬間を思い出させ胸をキュ〜ンとさせてくれる。言い方はおかしいけど、どこか昭和の清貧な家庭のイメージがする香り。

匂いの記憶って凄いですよね。

Calvin Kleinが一世を風靡した香水"CK-one"を発売した頃、僕は渋谷のELECTRIC CAFEというクラブで毎週水曜日にDJをしていた。そのクラブにCK-oneのサンプルが置いてあったのでなんとなくつけていたDJが多かった思い出がある。仲くんと一緒にやっていたそのイベントは"SPEED SEVEN"という名前で、時折行う週末スペシャルではLOUIS PHILIPPEやKATERINEを呼んでライブをやってもらったりした。今考えるととても豪華な話である。
こないだ京都でCK-oneの香りがするお香を嗅いだ時、そんな事を思い出していました。一緒にいたTA-1は高校生の頃を思い出すと言ってキャイキャイしていた。同じ香りでも引き出してくる思い出は当然のように別なのだと面白くはしゃぐ彼を見ていました。


夕暮れ時に自転車で帰宅している時に匂ってくる知らない家の夕餉(ゆうげ)の匂いやお風呂の湯気の匂いも、どこかしら切なさを感じさせる事がある。「あぁ、この家は今日はカレーなのかぁ」とか「ニンニクとタマネギを炒めているな、おいしそうだなぁ」とか勝手に思ったりして。
匂いとは関係ないが、うっすらと聴こえてくるピアノの練習する音にも同じような気持ちを抱く事がある。


今は少なくなったけど銭湯の前を通るとフワっと香ってくるあの匂い、大好きだなぁ。

銭湯に行きたい。

おやすみなさい。


chabe